『(前略)決断力に富み、戦術に巧みであるが規律を守らず、部下の進言に従うことはほとんど無い。
人々からは異常なほどの畏敬を受けている。酒は飲まない。 自分をへりくだることはほとんど無く、 自分以外の大名のほとんどを軽蔑しており、まるで自分の部下のごとく語る。 良き理解力、明晰な判断力に優れ、神仏など偶像を軽視し、占いは一切信じない。 名義上法華宗ということになっているが、宇宙の造主、霊魂の不滅、死後の世界などありはしないと明言している。』 ルイス・フロイスの信長評だが、なるほど、信長の一面をうまく言い当てていると思う。 目的のためなら、自分を神と名乗ることも辞さないし、仏に使える人間を皆殺しにすることもいとわない。 ある意味、江がついていけなくなっていたのも無理ならぬということか。 江にしてみれば幼心に『神』や『仏』という絶対的に上に立つものに、たとえ信長といえどもなることはできないと思っていたのであろう。 ある意味信長は本当に異端児であり、皆々が従いつつもどこかで違和感を感じていたと思う。 いつの時代も人間は変わらない。 抜きんでた人間を待望しながら、いざそういう人物がそばに現れると、猛獣か何かのように見る。 僕は人間に対して冷めた見方があるから、なおさらにそう感じる。 江は反発して信長に会いたくないと言いながら、母の市から信長の本音を聞いた時、また会いたいと思う。 信長は『一度すべてを壊し、新しい秩序と「天下布武」をもとにした支配体制を作り上げる。そのために憎まれてもかまわない』という。 実際に信長がそう考えていたかはわからないが、正義の基準がなく欲望に忠実な信長だったら、そういうふうに考えてもおかしくはないだろうな。 この当時、すでに足利義昭や松永久秀、荒木村重など、腹心や同盟者からの反乱が後を絶たなかったという。 また安国寺恵慶は『(信長は)高転びに、あおのけに、転ばれ候すると見え申し候』と既に語っていた。 そういうリスクを背負いながら、それでも突き進んでいったのは、そういう性格と考え方であったからかもしれない。 さて、明智光秀はそんな信長のやり方についていけなくなり始めていた。 武田を滅ぼした時には折檻を受け(『明智軍記』によれば、実際は森蘭丸に鉄扇でたたかれた)、次には成り上り者の秀吉の下につけと言われる。 律儀であったことは律義であったようであるが、信長の酷烈なやり方に、急激なやり方についていけなかったのも確か。 秀吉と違って、要領が悪いのだろう。 ガイドブックではこの回で本能寺の変が起こっていたけど、来週に持ち越しか。 どうなるやら。 今回のおまけ 「江-姫たちの戦国」ゆるキャラ3姉妹
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