友情と、愛と、決別 ~坂の上の雲・日英同盟~
まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。

四国は伊予松山に 三人の男がいた。
この古い城下町に生まれた秋山真之は、日露戦争が起こるに当って、勝利は不可能に近いと言われたバルチック艦隊を滅ぼすに至る作戦を立て、それを実施した。
その兄の秋山好古は、日本の騎兵を育成し、史上最強の騎兵といわれるコルサック師団を破るという奇跡を遂げた。
もう一人は、俳句短歌といった日本の古い短詩形に新風を入れて、その中興の祖となった俳人・正岡子規である。



1年ぶりの『坂の上の雲』
冒頭は秋山真之のイギリス留学、義和団事件鎮圧に参加した秋山好古の見たロシア兵の横暴、正岡子規の病床生活を描いている。
感受性豊かで、しかし剛毅な好古は、ロシア人を見てどんなことを思っただろうか。
おそらくこれからは、日露の対決を主張していく流れになるんだろうな。
真之は友人の広瀬がロシアに留学していたこともあって、おそらくは反対の立場になるんだろう。
兄弟の確執をどう表現するのか。


かたや正岡子規は病床に着きながらも、新聞記者として世の出来事や自分の意見を必死に主張し、一方で数知れない句を発表、高浜虚子のような知己を作りだした。
そのバイタリティはもう目を見張ると言うしかない。まして当時としては不治の病である結核にかかった身の上である。
病人とは思えない位の明るさと行動力だ。
彼自身、自分の無力を嘆いていると言えば嘆いているのだと思う。でもそれでも、自分の出来ることを出来る限りやっていて、それが記事や俳句、知己の登場と言う形で実を結んでいるのだろう。
必死に自分のやりたいこと、すべきことを手探りで考えているという点では、僕とあまり大差ないかもしれない。
僕も残り少ない研究生活の中で、そしてこれから薬剤師として働く中で、今やれること、すべきことを考えているつもり。
それが実を結ぶのかは、まだわからないけれど。

そういう意味では、僕は子規に感情移入しやすい。
来週で死んじゃうから悲しいこと限りないが。

後半は日露協商を結ぼうと考える伊藤と、二つの国の間で揺れ動く広瀬の話で終わる。
ニコポン宰相・桂太郎が総理となり、伊藤は内閣総辞職をせざるを得なくなった。
おそらく協商を結びたいという思いを、イギリスは相手にしてくれないだろうという思惑のほか、戦争の回避と桂への反発もあるのだろう。直々にサンクトペテルブルグまで赴き、皇帝に協調を働きかけるが、結局は失敗。
これは皇帝自身、大津事件で日本の警官に襲われているし、広瀬の別れのエピソードにあるように、小さな島国のサルという日本人のイメージから抜け出せていなかったこともあると思う。
それで側近の対日強硬派のおどしすかしにのってしまったと。

こうして、日露の対立は深まり、広瀬もこの戦で命を落とすことになるのだが…。

それでも、広瀬が恋人に別れを告げていく話は、悲しいけどいい話だった。
複雑な心境が哀れ。
恋人が『荒城の月』を歌うエピソードは印象的であった。セットも豪華であったし。
それでも「盗作」等と言われるあたりは・・・。
これって史実?
ロシアの多くの軍人に理解者がいたことが、せめてもの救いか。

これから先、広瀬・真之・好古は日露対立の渦に巻き込まれていくわけで・・・。
そういう意味では、子規はそれを見ずに死んでいくのだから、ある意味幸せかも。



彼らは明治という時代人の体質で、前をのみを見つめながら歩く。
上って行く坂の上の青い天に、もし一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて、坂を上っていくであろう。



今回のおまけ
Sarah brightman 『Stand alone』
『坂の上の雲』 主題歌
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テーマ:坂の上の雲 - ジャンル:テレビ・ラジオ

【 2010/12/05 23:55 】

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コメント
--- Stand Alone ---

一身独立か。
Sammy * URL [編集] 【 2010/12/07 09:20 】
--- ---

そうですね。直訳すれば『独りで立つ』という意味でしょうけれど。

当時の人間は福沢諭吉の『独立自尊』を大事にしていたのではないかと思うんです。
僕も院を出て社会に出て、独立自尊が達成できればと思っています。
SPIRIT(管理人) * URL [編集] 【 2010/12/11 13:44 】
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