さて、久々のゴー宣分析。
研究もひとまず終わったし、今回は旧2巻を。 この漫画の栄光と没落を見ることで、何が多くの若者の心をたきつけたのか、なぜ没落したのか、人をひきつけ、影響を与えるにはどうしたらよいのかがわかるような気がするんで。 「はっきり自分の考えを言うと、何でこんなに脅し文句が来るのだ!?」 この言葉から始まる旧ゴー宣第2巻『絶対個の彼方へ』 ![]() http://ranmaspirit0518.blog82.fc2.com/blog-entry-237.html ![]() ![]() にほんブログ村 ![]() ![]() ドラマQ 当初から立て板に水の語り口のゴー宣、第2巻から既に脅迫を受けていたようです。 「差出人の住所氏名がない上に、そのすべてがわしの書いた内容を理解していない! 嫉妬をするな!!自分も面白いものを書いて見やがれ」 このあと、彼は重要なことを言っています。 「わしは読者に喜んでもらえるためだけにひたすら笑いを取る ピエロに過ぎんじゃないか! 面白くなくなったら『昔はおもろかったがついにカスになったなー』 と笑えばいい。いつかその日は来るのだ!」 旧ゴー宣第3巻でもギャグ漫画家=ピエロというあたり,少なくともこのときは自分が何者であるかをわかっていた気がするんです。 この後、彼の批判者は彼を“ピエロに過ぎない”と批判するようになるのですが。 『権威よ死ね!』というのをスローガンに始まったゴー宣は、 『思考を止めるな!』が本当のスローガンではなかったのか、と思うんですね。 「何や知らんが学者の言うことだから・・・」「何や知らんがテレビのニュースだから」 という思考停止をしないようにしろと言うメッセージだったと。 第4巻で自分がカリスマを名乗り(詳しくは4巻の分析で)、批判意見や並立する意見を受け入れられなくなったことで自分自身が思考停止してしまったことがいけなかった。 この話のラストは ">『右も左も宗教もあらゆる思想にわしは組さん! ゴーマニズムがわしの思想だ!!』 実際、彼は途中までは右派とも左派とも言えず、バランスが取れていたと思います。 西部邁氏や舛添要一氏と言った保守論客を批判し、 薬害エイズでは先頭に立って国側の謝罪を求める一方、 『国内ペニスこそ優秀な一物!(旧ゴー宣第1巻)』 『右翼だってきちんとした思想運動(旧ゴー宣第3巻、新右翼・鈴木邦男氏との対談で)』 『美は才能であり、女性差別ではない!(旧ゴー宣第6巻、ミスコン反対運動批判で)』 などと保守的な考えも述べていく。(だから、反フェミニストとかマッチョイストなどと呼ばれたりもしました。) 従軍慰安婦問題を機にそのバランスが崩れ、右的思想に傾いてしまったのが没落の一因でしょうね。 『噂の真相』や上杉聡氏は『転向(左派が右派に変化すること)』といっていますが、 むしろ『バランスが崩れた』と言うべきだと思います。 引き込まれた『くれよん信ちゃん』 今は亡き自民党副総裁(経世会会頭)・金丸信の脱税事件を面白おかしく描いたもの。 ![]() (最後は、『堕ちた政治家にも五分の魂はあったはず』とかばっていますが。) 小林氏も漫画界のドンとなって金丸信のような立場であり、もしかしたら・・・。ということでぶっ飛んだ未来世界が展開されます。 『逆噴射家族』や『おぼっちゃまくん』を見てみて思うのですが、小林氏の漫画の面白さの秘密は、この『ぶっとび』っぷりではないかと。 最後の金丸の独白もリアリティがあり、70%位は当たっていると思います ![]() (11月8日追記:『金丸信』の名は八犬伝からとったんだって。兄弟は、上から、禮(礼)・悌・信・仁・忠・智義と付けられているとか。) 『禁断のやらせ王国』で思うこと NHKと朝日のやらせ問題に関して、自分もやらせに加担したことを話しつつ意見を述べたもの。 『テレビを見る時はやらせを見抜く目が必要であり、その上で面白がるくらいの余裕があっていい、やらせはジャンジャンやってみるものの目を鍛えろ』という持論。 ![]() いや、やらせはやっぱりないほうがいいと思うぞ・・・。(~_~;) ただ、誰も見てくれなければ話にならないので、多少の脚色や誇張はやむをえないでしょう。 僕は 「テレビや新聞の記事は7割くらいが真実。100%信じられるのは自分の目でじかに見たもの」 と割り切るようにしていますが。 ![]() 『英才教育 ~恩師アリさん~』と小林氏の作品 ![]() 『自分は幼い頃、誰も監視されずに伸び伸びと育ち、アリと触れ合うことで哲学を作った。学校の勉強はパーだったが、それでも創造性だけは身に着けた。 英才教育は受験のためのロボットを作るようなもの。社会に出ればマニュアルでは通用しない。 好きにさせておくことが真の英才教育だ』 というのが彼の持論。 もっとも小林氏は喘息持ちで、あまり激しく動き回れなかったと思いますが、それでもお寺でのびのび教育されてきたのでは。(ただし、たまに祖父の命令があったときには従ったようですが。) こういったのは別の理由もあると思います。 当時社会現象にまでなった彼の作品『おぼっちゃまくん』は、PTAが見せないようにしていたほどのあくの強い作品だったのですが、小林氏に対するクレームも教育ママや教師から圧倒的に多かったのではないかと。 やや扇動気味なところもあるゴー宣だと改めて分かる『集金奴隷』 ![]() 当時問題だった統一教会と霊感商法、及び被害者や信者(小林氏の知り合いも含む)の苦悩について描いたもの。 旧ゴー宣第1巻の『血迷える子羊たち』の続編なのですが、 その時は「わしは『統一金利』という新興宗教を作る!金こそは宇宙を統一する唯一の理!! あ、資本主義は統一金利か。」というジョークだけで済ましたのが、今回は ![]() 「宗教の自由に制限をつけないとわしが常識に徹底的に抵触する宗教を作る!!」と怒り心頭。(別の意味で一種の『宗教』をつくりあげたといわれていますが。) 本文も感情的で 「宗教を洗脳の道具に使って『集金奴隷』を作る統一教会! 広告に使われたものたちの影には、地獄でのたうって金集めしている末端信者達がいるのだ!!」 かなり読者の同情を呼び出させる文です。 ここまで来ると扇動(アジ)と呼ばれても仕方ないかなあ。 ![]() まあ、思想書というのは人に影響を与えてはじめて意味があるものなのですが。(当時はギャグの色彩が濃いけれど) 「アジって アジって アジって ナンボ アジってナンボの 商売だ(おしりかじり虫調)」 とでもいうべきか。 今回のおまけ おぼっちゃまくん『ともだちんこ誕生秘話』
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