ついに攻撃を開始する陸軍。
旅順は激闘を続けるが、相変わらず犠牲を大量に出し続ける始末。 乃木は心はあるが、頑迷な凡将なのかもしれない。 陸軍の頑迷さが犠牲と時間を浪費したのは否めない。 真之は二〇三高地だけを落とすべきと考えており、相変わらずいらだっていた。 東郷のいさめによって機嫌を取りなおすが・・・。 それにしても東郷、暴走しそうな真之をうまく抑えていていい感じか。 現場の司令官(ライン)としてはなかなかかも。 結局、陸軍の特攻部隊三千百余人の白襷(だすき)隊は壊滅・・・。 ようやく二〇三高地に攻撃を集中させる。 乃木大将にしてみれば、息子2人を失う多大な犠牲をもっているのだが・・・。 慣性というものがあるのか。 当時乃木に批判的だった世論(退任・割腹を求める手紙が自宅に2400通よこされたという。)も、この知らせを聞いて同情し、 『一人息子と泣いてはならぬ、2人亡くした人もある。』 という俗謡を作ったという。 力任せに攻めた挙句、やっとこさ二〇三高地は壊滅。 おそらく現場の兵としては、喜びは大きいだろう。 しかし少数で占拠させても、奪還されるにきまってる。 基本的には参謀長の伊地知の責任と言える。 実際、原作でも伊地知では融通のきかない無能者として描かれているが、 一方で、 『旅順に於ける作戦・指揮能力の評価については、第3軍への命令が『旅順を速やかに攻略すべし』とされていることを考えれば、東北正面を主攻撃目標として一挙に要塞の死命を制する事を目指した事は妥当な判断である。 旅順要塞を防禦する側がその防戦意図を断念したのは、203高地奪取(要塞北西)によるものではなく、それから約一ヶ月後の要塞東北面の主要拠点の陥落によることを考慮しても、旅順要塞で最も堅牢な東北正面の攻撃に拘った作戦立案は、的を射たものであった。』 という意見もある。 同じく参謀の秋山との対比を強調させる意図も、作者司馬は持っていたのではないかと僕は踏んでいる。 ともあれ、再び力任せに攻め、挙句徒手空拳でロシア兵をせん滅し、 何とか勝利。 ここで海軍、およびバルチック艦隊が登場することになるのだが・・・。 旅順陥落時の、乃木の漢詩。 崚曾富嶽聳千秋 (崚曾(りょうそう)崚曾たる富岳千秋に聳ゆ) 赫灼朝暉照八州 (赫灼たる朝暉八洲を照らす) 休説區々風物美 (説くを休めよ区々風物の美) 地靈人傑是神州 (地霊人傑是れ神州) 今回のおまけ 坂の上の雲 第三部 Ending
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