2カ月かかっちまった・・・。
正直このあたりは、ちょっと書きにくいあたりでしたね。 どちらかというとあまり印象が深くなく、文章にしにくいところで。 函館山の展望台や、山を降りた後の闇夜の迷走の方が印象深い気がする。() 一通り書き終えたら書き直す必要があるな。 もっと文章に厚みを持たせて、五感(正確には四感だけど)と風景描写をもっと具体的に描いて。 ************************************************************************************************ 赤レンガ倉庫から、結婚式場を横切り、ホテルのふもとに行くが、行く場所は反対方向。 函館山のほうである。 踵を返して、ベッドタウンのように並ぶ赤レンガを通り越した。 のちに横浜でも、赤レンガ倉庫と称した雑貨屋と美術館を発見している。どうも港町では、赤レンガの中に品物を置いたほうが、潮風に痛まなくて済むようだ。 赤レンガから道路を横切り、すぐ右側に行くと、昔の土蔵のような建物がある。高田屋嘉兵衛記念館である。 ドラマ『菜の花の沖』を見て以来、僕は高田屋嘉兵衛に興味がないわけではない。ただ、生まれた時代が江戸後期で華がないのと、彼の家庭生活における様々な不幸を知り、小説を読むのを敬遠していた。 中に入る時、件の小説もおかれており、最後の部分だけ一目見とおした。「ウラァ(ロシア語で『万歳』)、ギアナ」と言った彼の思いには、何があったのだろうか。 司馬遼太郎の小説の主人公たちは、妙に儚い。 ![]() 資料維持代として500円払ったが、どうも古びてざらついた土蔵2件の中に閉じ込めた資料にしては、値段が高すぎるようにも感じられた。 中はいちおう石や土が見えるようにはなっており、その中に高田屋の船の模型、嘉兵衛が京の芸子に贈ったといわれる書簡、および北の人々の生活を思わせる鉄器などが詰められていた。 ![]() これを用いて生きていたのだろう。 石も座りやすく、つるつるになっていた。 高田屋嘉兵衛は家が貧しかったらしく、そこから裸一貫で大成したといわれている。ある意味では秀吉にも似ていて、昔は様々な絵本に載せられていたという話。その一面も飾られていた。 どちらかというと知名度では2級の人物だが(司馬遼太郎ファンの方は知っている人が多いだろうけど)、 生きぬいて、死んだ。 そういう人であるような気がした。 外で自販機を買い、函館山の坂を上る。 そこには路面電車もケーブルカーも通らず、自分の足で登っていく。 旅行好きだから、歩くことも嫌いではないが、夏の暑さの中には答えた。 ![]() 函館山にはチャチャ坂と呼ばれる坂があり、チャチャ(アイヌ語で『おじいさん』)の名前に恥じず、体を前に倒して歩かなければならないほど急である。 運動不足ではあるが、歩いて苦痛ではない。 足が痛くなるが、一歩一歩踏みしめるごとに、景色が変わって面白い。 ビル、道路、海が少しずつ見えていく。 いい運動にはなる。 坂の上から下を見渡すと、高速道路、ビル、海が見える。 東京の街並みを思い出した。 ![]() そこから函館元町カトリック教会に急ぐ。 ![]() ![]() ロシアカトリックということになっているらしい。 教会の手前に寺のあるところもあり、いかにもシュールである。 ![]() 汗をぬぐい、中に入った。 その中は写真撮影禁止ということで、撮影はできず。 ただ、妙に豪華であった。清潔、神聖、金色の聖母マリアが光り、光が差し込んで、一つの別世界を形成。 檜でできた壁が、和洋折衷を思わせる。 日が傾いても、相変わらず暑さは続いている。 ![]() とりあえず、近くのアイス売り場による。 るるぶでおすすめの、グレープアイスを食べてみる。 甘酸っぱい。 スイーツはこういうのがいい。 それ以来、ぶどうの甘酢が忘れられないようになり、ぶどうジュースを頻繁に飲むようになった。 その後、青と黄、完全なシンメトリーを彩った旧函館区公会堂に行く。 ![]() 黄色と青のホワイトハウスといったところか。 いち早く開国した函館には外国人が行き来していたため、外国人をもてなす場所が必要だったという。 そのために作られた。 大使記念館の案内DVDを見ているうちに、気の遠くなるような睡魔が襲ってきた。 夢は見なかった。 なぜかは分からない。 こういうときにはタイムスリップした夢がお約束なのだが。 目が覚めたら夕暮だと思った。 何も変わらなかった。 明治に建てられたその作りは、そのままに保存されていたという。 ![]() 閑散としたホール。 そこで多くの人々がドレスやスーツを着て踊っていたはずなのに。 そこはだれもいない。子供が一人。 ![]() 現代人が当時の服を着てもあまり雰囲気はわかない。 むなしかった。 汗まみれで、正直それどころじゃなかったが。 子供の着ているドレスはもちろん、内部の建物につやがあり、妙に新しい。 そこが妙に、むなしさを増幅させていく原因だったが。 2回からの景色を見て、それをいやそうと思った。 いやされた。 海に沿う形で、高速道路が通っている。 ![]() なぜかこの構図を見ると、妙に気分が落ち着く。 東京荒川のほとりにある高速を、幼いころから見ていたからだろうか・・・。 下にある公園で。公園でジャズフェスティバルが行われていた。 ![]() 気がつくと夕方だった。 バルコニーから、ジャズフェスティバルが見えた。 とは言え、せっかく函館まで来たのに、ジャズフェスティバルで時間を浪費するわけにはいくまい。 函館山のロープウェーに乗るため、山を降り、路面電車へ急いだ。 赤い花がきれいであった。 ![]() 続く
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