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小説『函館百景』 その3
2カ月かかっちまった・・・。
正直このあたりは、ちょっと書きにくいあたりでしたね。
どちらかというとあまり印象が深くなく、文章にしにくいところで。
函館山の展望台や、山を降りた後の闇夜の迷走の方が印象深い気がする。()


一通り書き終えたら書き直す必要があるな。
もっと文章に厚みを持たせて、五感(正確には四感だけど)と風景描写をもっと具体的に描いて。


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赤レンガ倉庫から、結婚式場を横切り、ホテルのふもとに行くが、行く場所は反対方向。
函館山のほうである。
踵を返して、ベッドタウンのように並ぶ赤レンガを通り越した。
のちに横浜でも、赤レンガ倉庫と称した雑貨屋と美術館を発見している。どうも港町では、赤レンガの中に品物を置いたほうが、潮風に痛まなくて済むようだ。

赤レンガから道路を横切り、すぐ右側に行くと、昔の土蔵のような建物がある。高田屋嘉兵衛記念館である。
ドラマ『菜の花の沖』を見て以来、僕は高田屋嘉兵衛に興味がないわけではない。ただ、生まれた時代が江戸後期で華がないのと、彼の家庭生活における様々な不幸を知り、小説を読むのを敬遠していた。
中に入る時、件の小説もおかれており、最後の部分だけ一目見とおした。「ウラァ(ロシア語で『万歳』)、ギアナ」と言った彼の思いには、何があったのだろうか。
司馬遼太郎の小説の主人公たちは、妙に儚い。
高田屋嘉兵衛 愛人への書簡



資料維持代として500円払ったが、どうも古びてざらついた土蔵2件の中に閉じ込めた資料にしては、値段が高すぎるようにも感じられた。
中はいちおう石や土が見えるようにはなっており、その中に高田屋の船の模型、嘉兵衛が京の芸子に贈ったといわれる書簡、および北の人々の生活を思わせる鉄器などが詰められていた。
高田屋嘉兵衛 新聞

これを用いて生きていたのだろう。
石も座りやすく、つるつるになっていた。
高田屋嘉兵衛は家が貧しかったらしく、そこから裸一貫で大成したといわれている。ある意味では秀吉にも似ていて、昔は様々な絵本に載せられていたという話。その一面も飾られていた。
どちらかというと知名度では2級の人物だが(司馬遼太郎ファンの方は知っている人が多いだろうけど)、
生きぬいて、死んだ。
そういう人であるような気がした。


外で自販機を買い、函館山の坂を上る。
そこには路面電車もケーブルカーも通らず、自分の足で登っていく。
旅行好きだから、歩くことも嫌いではないが、夏の暑さの中には答えた。
チャチャ坂

函館山にはチャチャ坂と呼ばれる坂があり、チャチャ(アイヌ語で『おじいさん』)の名前に恥じず、体を前に倒して歩かなければならないほど急である。
運動不足ではあるが、歩いて苦痛ではない。
足が痛くなるが、一歩一歩踏みしめるごとに、景色が変わって面白い。
ビル、道路、海が少しずつ見えていく。
いい運動にはなる。
坂の上から下を見渡すと、高速道路、ビル、海が見える。
東京の街並みを思い出した。
チャチャ坂 景色


そこから函館元町カトリック教会に急ぐ。
函館元町カトリック教会

函館教会


ロシアカトリックということになっているらしい。
教会の手前に寺のあるところもあり、いかにもシュールである。
函館教会と日本寺

汗をぬぐい、中に入った。
その中は写真撮影禁止ということで、撮影はできず。
ただ、妙に豪華であった。清潔、神聖、金色の聖母マリアが光り、光が差し込んで、一つの別世界を形成。
檜でできた壁が、和洋折衷を思わせる。


日が傾いても、相変わらず暑さは続いている。
船魂神社

とりあえず、近くのアイス売り場による。
るるぶでおすすめの、グレープアイスを食べてみる。
甘酸っぱい。
スイーツはこういうのがいい。
それ以来、ぶどうの甘酢が忘れられないようになり、ぶどうジュースを頻繁に飲むようになった。

その後、青と黄、完全なシンメトリーを彩った旧函館区公会堂に行く。
旧函館区公会堂

黄色と青のホワイトハウスといったところか。
いち早く開国した函館には外国人が行き来していたため、外国人をもてなす場所が必要だったという。
そのために作られた。
大使記念館の案内DVDを見ているうちに、気の遠くなるような睡魔が襲ってきた。
夢は見なかった。
なぜかは分からない。
こういうときにはタイムスリップした夢がお約束なのだが。
目が覚めたら夕暮だと思った。
何も変わらなかった。
明治に建てられたその作りは、そのままに保存されていたという。
公会堂 執務室。


閑散としたホール。
そこで多くの人々がドレスやスーツを着て踊っていたはずなのに。
そこはだれもいない。子供が一人。
函館区公会堂 2階

現代人が当時の服を着てもあまり雰囲気はわかない。
むなしかった。
汗まみれで、正直それどころじゃなかったが。
子供の着ているドレスはもちろん、内部の建物につやがあり、妙に新しい。
そこが妙に、むなしさを増幅させていく原因だったが。
2回からの景色を見て、それをいやそうと思った。
いやされた。
海に沿う形で、高速道路が通っている。
旧函館区公会堂からの景色。


なぜかこの構図を見ると、妙に気分が落ち着く。
東京荒川のほとりにある高速を、幼いころから見ていたからだろうか・・・。
下にある公園で。公園でジャズフェスティバルが行われていた。
函館 ジャズフェスティバル


気がつくと夕方だった。
バルコニーから、ジャズフェスティバルが見えた。
とは言え、せっかく函館まで来たのに、ジャズフェスティバルで時間を浪費するわけにはいくまい。
函館山のロープウェーに乗るため、山を降り、路面電車へ急いだ。
赤い花がきれいであった。
赤色の花



続く
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【 2011/11/23 19:56 】

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