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共通番号制度(マイナンバー法案)が通った。 2016年1月から実用化されるんだとか。
僕はかねてから共通番号制度には賛成していたので、法案が通ったのはよかったと思う。
これにより、 ①行政サービスの手続きが簡素になる ②行政が効率化される と言われている。 これによって、本当に行政サービスが必要な人とそうでない人の判明や、個人の所得などが分かりやすくなるなら、税の徴収や行政サービスの提供がより効率的になると思ったのである。
一方で、 ①なりすまし犯罪が起きやすい ②情報流出でプライバシーの問題が起きる ③共通番号に伴う情報や報道の制約はあるのか。 という問題もある。 アメリカではすでに番号の『なり済まし犯罪』が多いという。
一方日経ビジネスによれば、
米国ではそれに相当する「社会保険番号(Social Security Number=SSN)」が、デファクトの個人IDとして広く使われている。私にとっては、日常生活にすっかりなじんだものだが、改めて調べてみると、なかなか面白い逸話がある。 (中略) 外国から米国に引っ越してくると、早くSSNを取らなければいろいろと面倒だ。運転免許を取るにも、銀行口座を開設するにも、携帯電話を契約するにも、アパートの契約も、クレジットカードの申し込みも、ローンを組みたい場合も、あらゆる場面でSSNを要求される。
SSNがなければ絶対ダメというわけではない。SSNが取れない旨を申告して銀行口座や運転免許を申し込むことは可能だし、SSNを必要としないアパートもある。2000年代に入ってSSNの申請資格が厳しくなり、ビザの種類によってはSSNを取れない場合もあるからだ。
しかしいろいろな制約ができてしまうので、たいていの人は米国に来たら、必死でSSNを入手する。一方、子供が米国で生まれると、すぐに出生証明の届け出と一緒にSSNの申請をする。
いったん取得してしまえば、あとはそのカードは、家の引き出しの奥深くにしまったままで、取り出すことはほとんどない。SSNカードはペラペラの小さな紙で、一応セキュリティー対策は施してあるが、あまりありがたい品物のようには見えない。
クレジットカードとは異なり、カード自体の提示を求められることはほぼ皆無(私はこれまで一度もない)。番号を書類に記入するか、口頭で伝えるかどちらかで済む。あまりによく使うので、自分の番号は覚えてしまうのが普通だ。セキュリティーの関係で「最後の4ケタだけ」を要求されることも多い。番号を利用しようとする団体は、この番号をキーとして社会保険庁に照合するシステムを使って、本人が記入した内容に間違いがないかどうかを確認する。
クレジットカードのように番号自体が取り引きのトリガーになるのではなく、運転免許証のようにSSNカード自体が「身分証明」の役割を果たすのでもない。その一層下にある「本人確認」に使われるだけだ。
すなわち米国のSSNは、生活の中では日本の「戸籍」に該当する役割を果たしている。こう考えると、分かりやすい。 日経ビジネス『米国版「マイナンバー」は怖くない』 海部美知
共通番号制の利点と課題も行政やマスコミは発信する必要があるのではあるまいか。
今回の自民党案は、他の行政分野や民間分野での番号の利活用促進を明記しているという。 個人的には税・社会保障だけに使ったほうがプライバシーの流出が防ぎやすいと思える。 使う機会が多い程プライバシー流出の危機も大きい。
ちなみに行政サービスの効率化のため、民主案の歳入庁は必要だと僕は思っている。 プライバシーの流出やなり済まし犯罪を防ぐためには、厚生労働省の下に置かれ、行政を監視するために民間人の監視役が置かれた機関が必要だと思う。
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