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前々から見たかった映画『おとうと』 友達と映画を見に行った時、『アバター』を見るか、『おとうと』を見るかでちょっと迷ったことを今もはっきりと覚えている。 結局アバターにしたけどね。 そっちの方が初めての3D映画ということもあって派手だし。
今回の物語は、薬剤師として堅実に生きる吉永小百合演じる吟子と、旅芸人としての成功を夢見て無為に過ごしてきた笑福亭鶴瓶演じる弟・哲郎の物語。 弟は酒癖が悪く、酔っ払って吟子の夫の十三回忌や、姪の小春の結婚式を台無しにして、親戚皆からうとまれるという状況・・・。 このあたりは寅さんに似ているのかな。 寅さんとサクラも似たような関係で描かれているという話を聞いたことがある。 (ちなみに僕は、家族が渥美清嫌いということもあってか、『男はつらいよ』を見たことがないのよ。) 渥美清の役は笑福亭鶴瓶にはつとまらないという意見もあるけど、そうかもしれない。 山田洋次のようなやり手がそう思わなかった・・・というのは不思議かも。
鉄郎は吟子から絶縁を言われた時には、既に不治の病にかかっていたようで 絶縁しても、弟を気づかう吟子にはあこがれの念を持ったなあ。 肉親の絆ってそんなものなのかな。 どんなに駄目人間でも、弟は弟であり、そして人間として、終を人間らしく終える権利はあるのかもね。
今回紹介された大阪にあるホスピスって、今もあるのかな。 確かに、身寄りのない人たちには必要なんだろうけど・・・。
姪の小春(蒼井優)は非常に感情移入しやすかった。 幼いころは名付け親の叔父にあこがれていたけど、結婚式を台無しにされたりして、わだかまりを持って、鉄郎が病気だとしっても捨てきれなくて・・・。 それでも、最後の最後で鉄郎の最期に立ち会うのは、やはり叔父であり、名付け親だからかなあ・・・。 肉親とは、一体何なんだろう。 どんなに駄目人間でも、切っても切れないのが肉親の絆。 鉄郎の最期の時に姉と弟で結んだリボンのように。 いつか僕も、いろいろな肉親の死に目に会うのかな・・・。 それを失うとき、どういう気持ちになるやら・・・。
P.S 鉄郎は胃ろうになったけど、経管投与をする人って初めて見たな・・・。 普通に食えることがどんなに幸せか、ちょっとわかった気がする。 ともあれ、水と焼酎を間違えて投与って・・・匂いでわかるだろ。
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