秀頼が生まれてからというもの、秀吉の子煩悩はさらにひどくなる。
それ以来、秀次は不安からか酒を飲み、禁所でタカ狩りをする毎日。 殺生関白と呼ばれた秀次だが、なるほど、これならばそう呼ばれたのもうなずける。 いずれにしても今回の秀次、能力はそれほどあったとは思えないが、人間くさいのは事実だったろう。 秀吉は京の噂、さらに秀次に関する悪い噂を聞きつける。 三成はまさに秀吉側近として、秀吉に悪い噂を吹き込む。 『茶坊主』と呼ばれた三成らしい。 やはり家康を主人公側の人物にしたからこそ、こういう人物になったのか。 (『天地人』の三成は、不器用ながら主君に忠実な武士という感じだったし。) 家康が秀次、更に江のところにやって来て、近況と秀勝の冥福を祈る。 なぜ家康が江をあれだけ気遣うのかは不明だが、やはり信長の血をひくものとして一目置いていたのであろう。 豊臣内部の権力闘争の話になると、家康が言葉を濁すのは人情か。 とはいえ、秀忠がずけずけそれを言うのはどうかと・・・。 (これは本多正信の役だろう。) 言葉を濁しつつも、根回しをきちんと行い、秀吉の動向を監視しようとする家康。 そのあたりは家康らしい。 秀忠と江は再び、秀次の部屋で出会う。 一応隙を見せぬように、秀次の近くで情報を得ようという魂胆なのだろうが・・・・。 秀次は相変わらずやけになったかのようなふるまい。 それでも秀忠を取り込もうとする。 それを読み取るという、シニカルながら頭の切れる一面を見せる秀忠。 そして、ついにあらぬ疑いをかけられ、切腹に追い込まれる秀次。 高野山に追放された秀次はもはやかなり虚無的な状態になっていて、秀勝のそばに行こうとする思い。 不安が恐怖に替わった後、もはや受容状態になったとでもいおうか。 夕暮れの中で秀次は切腹する。 秀吉は秀次の悪霊に悩まされ、聚楽台を取り壊し、さらに秀次の一族36人を打ち首にし、秀次と親しかった武将(伊達政宗等)にも疑いをかける秀吉。 明らかに晩年のとち狂った秀吉そのものとでもいおうか。 『殺生太閤』と言われたのも仕方ない。 これ以上は許せぬと、秀吉との絶縁を望む江。 それに対して、秀吉の要求は秀忠との婚姻だった。 ここでも、女性が戦略の道具になったということがうかがえる。 結局豊臣・徳川は対立し、しかも秀次と親しかった武将は徳川に着いてしまったのであるが・・・・。 豊臣秀次、入道豊禅閤 28歳。 辞世:磯かげの松のあらしや友ちどり いきてなくねのすみにしの浦 今回のおまけ 豊臣秀次の墓 |
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テンペスト
心のままに生きられずにいた美貌の少女 真鶴は 宦官 孫寧温となって王府へ登った 2つの“顔”のはざまで揺れ動きながらも 祖国、琉球のために戦い抜いた女性を描く 絢爛豪華なエンターテインメント時代劇 原作:池上永一 脚本:大森寿美男 演出:吉村芳之 音楽:H・GARDEN 主題歌:安室奈美恵「Tempest」 【出演者】 仲間由紀恵さん 谷原章介さん 塚本高史さん GACKTさん 高岡早紀さん 金子昇さん 若村麻由美さん 高橋和也さん 上原多香子さん 藤木勇人さん 平良とみさん 小林幸子さん かたせ梨乃さん 八千草薫さん 奥田瑛二さん ほか 第一話予告とあらすじはこちら 第1回『龍の子』 【 19世紀の琉球王国。嵐の中、一人の女の子が誕生する。 男子誕生を望んでいた父に名前を与えられず育ったその少女は、自身に「真鶴」と名付ける。 成長した真鶴(仲間由紀恵)は孫家復興を願う父のため、性を偽り、「 寧温」として王宮に上がることを決意。尚育王(高橋和也)は聡明な寧温に王府の財政改革を命じる。 テンペスト http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/tempest/next/01.html 先日始まったばかりですが第1話から とても素晴らしい内容になっています 今からでも間に合いますので是非是非ご覧下さい(*´▽`*) |
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朝鮮に渡った秀勝は、風土病で客死。
その悲しみからいまだに抜け出ず、娘の完も手に取ることができない江。 『強く握ったりすれば全身が崩れる。』赤ん坊。 やはり母が拒否するのはわかるものなのだろうか。 何とか立ち直ってもらおうとする初。 しかし京極龍子は天然で、何の解決にもなりやしない。 そこで現れたのはガラシャと淀殿。 ガラシャは性質としての立場よりも、謀反人・明智光秀の娘ということで幽閉される身。 細川忠興は別の側室と仲良くしており・・・という状況で、もはや夫も愛することは出来ず、頼れるのは紙だけだったという。 実際の忠興は玉を大切にしており、たまを幽閉したのは離縁を思いとどまらせるためということらしいけれど。 更に朝鮮出兵中も、秀吉の誘惑に乗らないように何度も手紙を書き送っているとか。 (ただしキリシタンの受洗を聞いた時には激怒して、侍女の鼻をそぎ、さらに玉を脅迫して改宗を迫ったと言われている) とにもかくにも、夫に信頼できない何かがあったのは確かなようだ。 続いて淀殿。 彼女の場合は息子を亡くしているが、その悲しみは妹であってもわからない。 そりゃあそうだ。 実際に経験したことがないのだから。 自身が克服するしかないと諭す淀殿。 やがて秀勝の遺髪と遺言が朝鮮から届き、江は彼の意志を知る・・・。 こういう起承転結がはっきりしているのはいいよね。 「わしは、自分たちのやろうとしていることが、いかにむなしいかを子供たちの付き合いでわかった。 利休さまと江の『みんなが笑って暮らせる世の中』を自分も目指したいと思った。 しかし自分は何を残したのか」 と言い残す。 『みんなが笑って暮らせる世の中』 最近聞いていて、僕は気持ち悪いのだが。 耳障りはいいけど(逆に良すぎて嫌い)、 漠然過ぎるし、そんなの誰だって目指しているって。 ただその方法が皆違うから、ほんのちょっとしたとっかかりだけで、人間は仲たがいし、憎み合うんだ。 そして、秀勝の江と共に一緒に残したただ一つのもの、娘を抱き上げる江。 そして、江と向き合う決意をする。 秀吉はいったん朝鮮から兵を撤退。文禄の役は終結。 そんな折、秀吉の長男、拾、後の秀頼が生まれ、彼に関白を継がせたいという秀吉。 秀次は秀吉が生きている間に関白を継がせたいと推する。(ある意味正しい。) やはり子煩悩になった秀吉がおかしくなり始めてきたことの証だろうか。 淀殿もまた、子煩悩になりかける。 あるいみ、2人はある意味、『殺生』になりかけていたのではなかろうか・・・。 今回のおまけ 青と赤編。 しかし今回のもちょっと長いな。 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第8話『俺の妹がこんなにアニメ化なわけがない』 幕末機関説 いろはにほへと 第8話『仇討(あだうち)本懐なる』 |
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