人生七十(七十の人生)
力囲希咄(力強く声をあげた) 吾這寶剣(私の宝剣は) 祖佛共殺(祖先や仏を共に殺めてきた。) 堤る我得具足の一太刀(私の具足の一太刀が) 今此時ぞ天に抛(この時天になげうつのだ) 千利休、辞世の句。 利休切腹の理由は定かではなく、 ・大徳寺三門(金毛閣)改修に当たって増上慢があったため、自身の雪駄履きの木像を楼門の二階に設置し、その下を秀吉に通らせた。 ・安価の茶器類を高額で売り私腹を肥やした(売僧(まいす)の行い)疑いを持たれた。 ・天皇陵の石を勝手に持ち出し手水鉢や庭石などに使った。 ・秀吉と茶道に対する考え方で対立した。 ・秀吉が利休の娘を妾にと望んだが、利休は「娘のおかげで出世していると思われたくない」と拒否し、秀吉はその事を深く恨んでいた。 ・豊臣秀長死後の豊臣政権内の不安定さから来る政治闘争に巻き込まれたため。 天下をとってから秀吉が、剃刀のような切れ味をなくしているのは史実通り。 今回の利休切腹もそれによるものであろう。 もちろん、その前後には弟・秀長の死などもかさなっているが・・・・。 朝鮮侵攻を考え始めたのもこの頃。 今回は朝鮮との交渉に鶴松を連れて来て、あげく小便を垂らしてしまったために交渉決裂。 このあたりに、耄碌してきた秀吉の人柄がうかがえる。 秀長は52歳で亡くなる。 かなり心労がたたっていたらしい。 まあ、秀吉の影として、影に調整にまわっていたのだから、相当心労がたまっていただろう。 あまりサクセスストーリーがすぎるのも、人にとっては苦労か。 最後に秀長は、 『良薬口に苦し』 と言い残してこと切れる。 とはいえ、権力者の孤独。 だれも信用できない人間にとって、誰が信用できるか。 自他共に信用できまい。 三成が利休の悪いうわさを聞き、 動揺する秀吉。 秀吉のブレーンをあくまでやめようとする利休と、 あくまでブレーンであってほしいと思った秀吉。 本当は生かしておきたかったのであろう。 しかし、利休が言ったのは 「今の秀吉は面白くない」 ということだっが。 確かに、耄碌がひどくなったのは確かだ。 だが、それをはっきりと言えるというのも不思議である。 裏を返すと、それだけ秀吉を信頼していたし、秀吉に何でも言えたということだろうか。 あくまで、自分の信念を貫きたかったということだろうか。 言われた秀吉が出した最終的な決断は、切腹だった。 飄々としながらも、真理を鋭く突いてきた利休。 ブレーンの一人がいなくなったことで、豊臣政権はさらにおかしくなり始めるのだが・・・。 鶴松の死、朝鮮出兵、そのなかでガタガタになっていく。 ・・・って、この話で切腹しないの? 今回のおまけ 江~姫たちの戦国~(メインテーマ)【ピアノソロ】 |
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『結婚とは、男の権利を半分にして、義務を二倍にすることである。』
『人生には正真正銘の本質的な価値などない。 人生はただ、欲望と幻影によって動きつづけるだけだ。』 ショーペンハウアー ずっと仕事に忙しくて、『生まれる。』も後半部を見れなかった。 ともあれ、やっぱり笑顔とハッピーエンドがお約束か。 一家のムードメーカーである浩二は、白血病が再発するも、生まれた子のHLAが同じであったため、移植手術を受けることが可能に。 もっとも、実際は免疫破壊時に感染症で感覚器に障害がおこるパターンが多いんだけどね。 とくに体に障害もなく、無事に治療した模様。 あの後、すぐに髪の毛はえたなあ・・・・。 (医師役がアンジャッシュの児嶋というのもねえ・・・。) そして、母の高齢出産。 高血圧や難産の障害を抱えつつも、特に障害もなく赤ん坊が生まれてきた。 奇跡は案外起こる・・・と言われてもね、ちょっとリアリティにかける終わり方。 まあ、それはそれでいいのかもね。 鬱展開もちょっと多かったし。 しっかしほんと楽天的だねえ。 家族が心配して駆け付けても、病院でのんきそうにポカリ飲んでいたり。 まあ、そういう楽天的な性格だからこそ奇跡をおこせたんでしょうなあ。 『床の間の似合うやつ』 だったからこそ。 そして、最後に家族全員が母親に感謝する。 クライマックスとしてはいいのかな。 「産んでくれて、ありがとう」 「育ててくれて、ありがとう」 「自分の母でいてくれて、ありがとう」 でも、この当たり前と流していたことが、感謝するものなのかもしれない。 ちなみに太一の父である中野、サツにつかまってました。 その後太一がパンを贈るというラストで結ばれていたけど。 あの先輩にしても中野にしても、健在で闇に生きる。という形で終わらせてほしかったけどね。 周りは変えられなかったけど、とりあえず家族が幸せなら良かったものと。 生き方、家族。 それが僕にとっては何を意味するかわからない。 「人生を高めたい者は常に苦悩する」とはショーペンハウアーの言だけど、 少なくとも、自分の求める生き方、自分の幸せは、医療人としての自分の中にも、家族としての自分の中にもない気がする。 これから、どうなるのかは僕もわからないけれど。 今回のおまけ Ayumi Hamasaki- A Song for XX |
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