男児立志出郷関 男児 志立てて郷関を出づ
学若無成不復還 学 もし成るなくんば 復(また)還らず 埋骨何期墳墓地 骨を埋むるに 何ぞ期せん墳墓の地を 人間到処有青山 人間(じんかん)到る処青山あり 人は誰しも、志を求めて旅立つもの。 角さんが好んでいたこの詩、最近僕にもしみじみと感ぜられる。 (映画のROOKIESでも川藤が吟味してたよね。) そんなこんなで始まった『坂の上の雲』 最初はだれが主人公なのか分からず、多少戸惑っていたんだけれども、話が進むにつれてだんだんと面白くなってきた感じかな。 特に中学時代の正岡子規が自由民権運動にはまりこんだあたりから。 取り押さえる景観、そいつを返り討ちにする秋山真之・・・。 今の学生運動となんら変わらん。 兄と子規が旅立って、ひとり松山に残って将来に迷う真之の気持ちは、研究室での研究に限界を感じ始めた僕の気持ちとすっごく重なるんだよね。 (指導担当の教授からきっぱり言われちゃったけど。) 大きな成果を出したい、でも何もできない。 そのもどかしさがなんとも。 そしてやっと東京に登れる日が来る。 うれしかっただろうなあ。 兄が住む離れのぼろ屋に下宿することになって、げんなりするのはわかるけれど。 寡黙で厳格な兄貴。 あっという間に軍人の道を歩み始めたよう。 無口で繊細なのは僕も同じなんだけど、僕の場合、どこか緩んでいるんだよなあ。 彼が下宿先の娘にどのようにひかれ、どう人間関係を気づいていくのか、それがみもの。 真之が武具屋に乱暴狼藉を働くイギリス人を見て、覚えたばかりのイギリス英語(『英国人の博愛精神』というやつね)を言って刃向う姿がなんともいえない。 若いうちは覚えた言葉をすぐ使いたがるし、無茶をする。 こんな無鉄砲さを僕も持ちたいもの。(『激しく、かつ繊細に』が僕のモットーだけど) 坂の上の雲、今回は若者の青春ドラマとして描いている感じが見事化もねえ。 今回は内藤と亀田の試合に視聴率を奪われてしまったようだけど。 期待しています。 ところで、 『人間いたるところ青山あり』 という言葉もあるけれど 『生きながらの埋葬(セネカ)』 という言葉もあるんだよな。(『青山』とは『墓場』という意味。) 今の世の中の人はわからないけれど、古今東西の人間の多くは、生きながらに埋葬されているような気がするんだよなあ。一部の偉人を除いて。 僕が死ぬときに鳴くか笑うかはわからないけれど、まだしばらくは旅が続きそうです。 人生そんなもんなんだろうけれど。 『精神的活動無き閑暇は一種の死であり、人間の生きながらの埋葬なり。(セネカ)』 今回のおまけ NHKスペシャルドラマ 「坂の上の雲」 Stand Alone |
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