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一本の道の果て ~篤姫感想~
いよいよ篤姫は最終回『一本の道』へ。
視聴率こそ第48回の『無血開城』におよばなかったものの、今回はそれぞれの人物の最後の言葉がよく、また第1回目の『天命の子』という伏線が実っていていい感じでした。

今回はそれぞれの主要人物の最期の言葉を取り上げつつ、感想を述べて生きたいと思います。
『人のまさに死せんとするや、その言やよし。』というし。

まず
「徳川総家が今、あるのはあなたが力を尽くした・・・と、聞きました。そんなあなたの母であることを、わたくしは誇りに思います。」天璋院の母・お琴
天璋院の性格の骨格を作ったのが母の教えと言っていいかも。
だから天璋院も頑張っていけたのかも。

「楽しい人生を送ることができた。さまざまな人に会い、さまざまな事を成し遂げられた。素晴らしい日々だった・・・。」小松帯刀
足の怪我がさらに悪化し、さらに血を吐いて死の床に伏せる帯刀。
もともと病弱だったのに加えて、新政府の激務がたたったらしい。
ともあれ、36歳とあってはやりたいことも多かったと思えるけれども。
天璋院ともまた会いたかったであろうに・・・。
帯刀の死を知った天璋院は、「尚五郎さん・・・。」と悲嘆にくれるんだけれども、このタイミングで「尚五郎さん」といわれてもなあ。前にも書いたが、前回でも言ってほしかった。

「わたくしは母上さまと、家茂さんの仲睦まじさに焼きもちを焼いておりました。」静寛院
最初は仲の悪かった嫁姑が、ここまで仲良くなるとは。
飯を盛るときに、互いに飯を盛りたいと言う姿が面白かった。
そこでしゃもじを2つ用意する勝もまた、こっけいだったなあ。
これが最後の別れになってしまうのがまた悲しい。
(静寛院が亡くなったのは、西南戦争も終わりに近づいた1877年9月2日。)

宮崎と堀北、仲が悪いと言われているけれど、皇女和宮の話以来、その話を聞かなくなりましたね。
となると、プロデューサーあるいは2人自身の作戦だったのかもしれない。
ともあれ、演技力では宮崎に一本かな。(堀北ファンとしては悔しいが。)
若い時は甲高い声でぺらぺらと、そして晩年になれば成る程声のトーンを低く、台詞回しもゆっくりとなる、その使い分けは見事としか言いようがない。

「これでよか・・・。」西郷隆盛
「やり残したことばかりじゃ。そんなものかのう、吉之助はん・・・。」大久保利通

盟友2人の最後の言葉は、意味合いが正反対と言えるかも。

西郷は幕府を倒して新政府と新時代を作り上げたけれども、「多分これから大久保と対立するだろう。自分の役割はもう終わった。」と考えたのかな。
徹底的に西洋の知識を吸収する大久保に対して、ある意味ではついていけなかったのかもしれない。
(欧米人に習ってひげを生やした大久保に対し、ずっと江戸顔だったのがその証拠かも)
鹿児島に帰ってからは、それこそ晴耕雨読で暮らしていたらしいけれども。
『人斬り半次郎』こと桐野利秋たちも西郷をしたって下野したあたり、どれだけ西郷が慕われているかわかります。合理的な大久保に対して、西郷は人情かで懐が深いといわれているからなあ。

大久保が暗殺される日に彼が語った、有名な言葉があります。
「明治維新を完成させるには30年かかるだろう。
今までの10年間は戦争が多かったが、
今度の10年は政治の基盤を強化し、産業を発達させる時期だ。
さらにその先の10年は優秀な後輩達が大きく発達させてくれるだろう。
そして、あと10年が不肖大久保の仕事だ。」

大久保自身も、暗殺されたのは非常に無念だったと言えるでしょうね。
明治の政策のために自分の財産を投げ出した結果、彼は800万の借金(現代のお金に換算すると)しか残せなかったと言われています。
鹿児島では大久保は嫌われているようですが、ボクは小学生の頃、大久保の伝記(ただし漫画)を読んだことがあるから、共感できなくもないんだな。
ともあれ、どちらも『子孫のために美田を買わず』で、何も残さなかったのが潔いでしょうね。

お近が天璋院に送った香木のシーン、何の意味があるのかと最初戸惑ってしまった。
「人の志もこれに似て、長い時を経ていつか、思いがけぬ人へと伝わるのでございましょう。」
たとえ人は亡くなろうとも、その志は消えはしないと思うのです。」
人の遺志は他の人たちにも伝わる、と言うことでしょうか。
だから天璋院も生き続けることができたのかも。
もしかして本寿院にも伝えたのかな。
天璋院が亡くなっても2年間生きてきたもんな。

「誰もが天命、果たすべき何かを持って、この世に生まれてくるのだからなぁ。」天璋院
第1話『天命の子』の伏線を実らせた最後の言葉、とってもよかった。
まさに天璋院は、自分の運命に従い、その生涯を閉じたと言う感じですかね。
居眠りするように息を引き取っていくのは、自分の人生に充分満足して死んでいったと言うことでしょうか。
(史実では脳出血が原因らしいが、歩いているときに卒倒という終わり方じゃあねえ。)
しかし死ぬる今わの際と死後鳥を逃がす唐橋(からはし)の行動が淡々としていてちょっと残念だった。
号泣していてもいいんだけどな。

ともあれ、無事に終了!
皆さんお疲れ様。
来年の『天地人』もおもしろそうなんだけど。
(最初『てんちびと』と読んでたのが恥ずかしい。)

今回のおまけ
天地人 予告
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テーマ:篤姫 - ジャンル:テレビ・ラジオ

【 2008/12/16 23:50 】

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